2025.02.28/最終更新日 2025.02.28

便失禁・おなら(ガス失禁)治療に新たな選択肢「肛門ハイフ(HIFU)」とは?

自由診療

便やガスが意図せずにもれてしまう肛門失禁の実態調査では、高齢者にかぎらず、あらゆる世代において発症しているという報告があります。その治療には既存の骨盤底筋訓練やバイオフィードバック療法などのほか、つい最近、HIFU(ハイフ、経肛門高密度焦点式超音波療法)という、ラジオ波を直腸の筋層に照射する新しい方法も登場しました。基本的な排便のメカニズムや、便失禁の原因とリスク因子を理解することは、不意に起こる肛門失禁の予防に役立ちます。合わせて、受診するときのポイントや検査の内容、日常生活のなかで心がけたいセルフケアの知識を身に付けましょう。

便失禁とガス失禁の定義

意図せずにもれてしまう便やおなら(ガス)によって、自尊心や羞恥心が傷付き、日常生活のなかで耐え難いストレスになっていませんか?残念ながら、これらは治療により改善が期待できることや、根拠を基に設定された診療ガイドラインが存在することは、一般にも医療関係者の間にもほとんど知られていません。そうした所以もあって、便失禁(便がもれる症状名)やガス失禁(ガスがもれる症状名)は、「silent affliction(静かな苦しみ)」と呼ばれています。

欧米では以前から便失禁に関する研究やガイドラインに沿った診療が活発に行われ、主要な専門雑誌にも数多く掲載されてきたのに対し、日本ではこれまで、疫学的調査や治療の適応に用いる学問的な定義もありませんでした。そのような中、わが国で初めて便失禁の診療ガイドラインが発行されたのは2017年です。これが2024年11月に第2版が発行され、近年では徐々に日本でも、関連する研究報告の件数が増えつつあります。

ただ、その定義や症状にはいくつかの捉え方があり、なかでも便失禁とガス失禁の区別については、国際的に統一されていません。また、具体的な年齢や頻度などを示した定義もあり、情報を読み解く際にはこうした違いも認識しておくことが必要でしょう。

【便失禁に関する定義】

「便失禁診療ガイドライン2024年版(改訂第2版)」日本大腸肛門病学会

・便失禁とは、無意識または自分の意志に反して肛門から便がもれる症状
・ガス失禁とは、無意識または自分の意志に反して肛門からガスがもれる症状
・便失禁とガス失禁を合わせて肛門失禁とする
国際失禁会議(International Consultation on Incontinence;ICI)2017年版
・便失禁(fecal incontinence)とは、自らの意思に反して、社会的または衛生的に問題となる状況で液状または固形の便が無意識にもれる症状
・肛門失禁(anal incontinence)とは、自らの意思に反して、社会的または衛生的に問題となる状況でガス、液状または固形の便が無意識にもれる症状
・肛門失禁と便失禁を区別し、肛門失禁からガス失禁を除いたものを便失禁とする
米国結腸直腸外科学会(American Society of Colon and Rectal Surgeons;ASCRS)2015年版
・年齢が4歳以上で、自制のきかない便またはガスのもれが少なくとも1ヵ月以上続く症状
・便失禁とガス失禁は区別せず、年齢と症状を有する期間を示す
米国消化器病学会(American College of Gastroenterology;ACG)2021年版
・便失禁とは、肛門から無意識に便がもれる症状 ・ガス失禁は肛門失禁に含める
国際消化器病学会(Rome Ⅳ分類)2016年版
・便失禁とは、4歳以上で繰り返す自制のきかない便がもれる症状

働き盛りの世代も発症!実態調査の結果

日本において便失禁に関する疫学的な研究報告はまだそう多くないものの、近年のアンケート調査では回答者463名(平均年齢35.6歳、女性の割合71%)のうち、3人にひとり以上で肛門失禁の経験があると回答しています。全体におけるその内訳は、ガス失禁が30.4%、便失禁が4.0%です。 また、20~65 歳を対象としておこなわれた過去の調査でも、便失禁を1カ月に1回以上、経験していると回答した人の割合は4.0%。さらに、最近のインターネット調査では、日本人9,995名(18歳から79歳)のうち、便失禁が3ヵ月以内に1回以上あると回答した人の割合は9.5%でした。これらの結果は、一般的に発症率が高いと言われる65歳以上だけでなく、働き盛りの世代においても肛門失禁の悩みを抱えている人が、一定数を超えて存在しているということを指し示しています。

3種類の便失禁と排便のメカニズム

肛門失禁のうち便失禁には3種類あり、ひとつ目は「便意を感じてからトイレまで我慢できずに便をもらす」切迫性便失禁、2つ目は「便意を伴うことなく気づかないうちに便をもらす」漏出性(ろうしゅつせい)便失禁。そして3つ目は、この2つを合わせた混合性便失禁です。
ここで、便失禁の原因を考える際に基本となる、排便のメカニズムについて押さえておきましょう。ヒトの排便回数は、1日に1回から2回程度が通常です。食事で摂ったものは食道を通って胃から十二指腸、小腸へと進む間にほとんどの栄養分が消化吸収され、そのあとに続く大腸の結腸で、水分が吸収されながら半日以上かけて固形状の便が形成されます。

つくられた便は、腸の蠕動(ぜんどう)運動によってS字結腸から普段は空洞の直腸へと送り出され、そこで200ml(ミリリットル)以上蓄積し、圧力として45~55 mmHgぐらいに達すると、それ以上は直腸壁が伸ばせずにこれが刺激となって神経を介し脳へ伝わることで便意が起こります。そして排便時には、意識的な“いきみ”で腹圧の上昇とともに陰部神経を介する外肛門括約筋が弛緩(しかん)し、同時に自律神経が働いて直腸の収縮や内肛門括約筋の弛緩も起こり、一連の排便動作に至るのです。

反対に、外肛門括約筋の収縮は、直腸に送り出された便をすぐに排出しないように働きます。健康な人である程度、便意を感じてもトイレまで排便を我慢できるのは、外肛門括約筋を意識的に制御できているから。一方の内肛門括約筋は、排便している間のおよそ10秒以外は収縮していることで、普段は肛門が閉じた状態を保っています。しかし、直腸の伸展度合が強くなると、内肛門括約筋の弛緩する時間が長くなり、そうなるともう自分の意思では排便動作に逆らえません。

このようなメカニズムから、切迫性便失禁は外肛門括約筋の障害、漏出性便失禁は内肛門括約筋の障害が原因で起こっていることも多いと言われています。ただし、排便には肛門の筋肉だけでなく複数の神経も関与しているため、専門家による診察や検査結果も踏まえて対処することが大切です。

9つの不調と原因、発症リスクを上げる因子

便失禁を患う人で不調が生じている部位や状態とその原因は、必ずしも一様ではありません。例えば、次に挙げるような原因がいくつか重なり合い、複数の不調が現れる人もいれば、一部の不調がつよく現れる人もいるなど様々です。

【便失禁の内訳9種類と原因】
不調を生じる部位や状態 原因
突発的に起こる肛門括約筋の異常 (突発性肛門括約筋不全) ・加齢による内外肛門括約筋の機能低下
外傷がもとで起こる肛門括約筋の異常 (外傷性肛門括約筋不全)

・出産による外傷や肛門部のけが
痔や裂肛 などの肛門部の手術
・直腸がんのための手術

神経が関係して起こる肛門括約筋の異常 (陰部神経、自律神経、脊髄神経) ・出産後の陰部神経障害
・直腸がん手術による自律神経の損傷
・糖尿病による自律神経障害 ・脊髄障害
先天性の直腸肛門疾患 ・直腸肛門における奇形の手術など
遺伝が関連しない直腸肛門疾患 (後天性直腸肛門疾患) ・直腸脱(ちょくちょうだつ)
・直腸瘤(ちょくちょうりゅう)など
直腸肛門の感覚異常 (便意感覚異常) ・多発性硬化症
・認知症
・脳梗塞
・糖尿病など
直腸の容量や機能の低下 (直腸リザーバー機能不全) ・直腸がんの手術や放射線の照射
・潰瘍性大腸炎の手術(大腸全摘)
・炎症性腸疾患など
慢性的な下痢などの便通異常 過敏性腸症候群(IBS)
・炎症性腸疾患
・胆のう摘出手術
・下剤の服用による下痢など
直腸内での便塊貯留による内肛門括約筋の反射的な弛緩状態(漏出性便失禁) ・糞便塞栓 ・小児遺糞症

発症リスクを上げる因子として代表的なのは加齢で、多くの疫学的調査において年齢と便失禁の間には明確な関連があると示されています。その背景にあるのが、筋力や認知機能など身体能力の低下や、フレイルによる身体活動の制限、脳梗塞や糖尿病といった便失禁の原因となり得る病気の併存です。なかでも、糖尿病をもつ人では、血糖コントロールの状態が便失禁の程度と関係するというような報告も。

また、肛門括約筋のほか、骨盤底筋(こつばんていきん)や直腸で便を貯める機能、便の性状、神経機能の変化、BMI(Body Mass Index、肥満指数)が30を超える肥満なども発症リスクとなるため、年齢に関わらず自身の状態を把握しておくことが大切です。

とくに、過敏性腸症候群※をもつ人では、直腸の感覚や収縮能が過敏になっていることで、肛門括約筋が正常に機能していても切迫性便失禁を生じる可能性があります。あと、女性の場合、出産の回数や胎児の大きさ(体重として4,000グラム以上)などがリスク因子となることも。したがって、便失禁の原因を探るには様々な視点と状態の把握が必要です。

※過敏性腸症候群(IBS)については、既存記事『治療には正しい見極めが大事!過敏性腸症候群と潰瘍性大腸炎のちがい』で詳しく解説しています。

便失禁の重症度を測る評価方法

便失禁の重症度を測る評価方法が数多くある中で、よく用いられているのが、①「CCFIS(Cleveland Clinic Florida Fecal Incontinence Score;クリーブランドクリニック便失禁スコア、旧Wexnerスコア)」と、②「St.Mark’sスコア(セントマークススコア、別名Vaizeyスコア)」、そして③「FISI(Fecal Incontinence Severity Index)」の3つです。

ひとつ目の①CCFISは医療機関でおこなう治療の過程でもっとも効果判定に使われている評価方法で、0(便失禁なし)から20点(最重症便失禁)の合計スコアで評価します。その内容は、何を(ガス、液状便、固形便)どれくらいの頻度で失禁するかの3項目と、「下着の汚れを防ぐためのパッド使用」と「便失禁による日常生活への影響」の頻度を振り返る2項目の、合計5項目からなる質問です。

この評価方法のメリットは、比較的すくない質問で日常生活への影響(QOL;Quality Of Life)も同時に評価できる点で、国際的にも広く用いられています。ただし、もらすのが固形便でもガスでも同じ4点で症状の程度が区別できないことと、実際には失禁に至らない便意切迫感の評価ができないというデメリットも。

そのため、便意切迫感を重視する場合には、①CCFISに「便意切迫感の有無」と「下痢止め薬を使用の有無」の2項目を加えた計7項目で構成される、②St.Mark’sスコアを用いて評価します。さらに、症状の程度を評価する場合は、何(ガス、粘液、液状便、固形便)をどれくらいの頻度で失禁するかの4項目で構成された③FISIを用いるなど、個々に応じた評価方法を選択することも必要です。

【 評価方法① CCFIS 】
5項目における各点数の合計を0から20点で評価
  全くない 月に1回未満 月に1回以上~週に1回未満 数に1回以上~ 1日に1回未満 1日に1回以上
固形便失禁
液状便失禁
ガス失禁
パッド使用
QOLへの影響
【 評価方法② St.Mark’sスコア 】
CCFIS の5項目に2項目を加え、計7項目における各点数の合計を0から24点で評価
過去4週間 での頻度 全くない 4週間に1回 4週間に1回超~週に1回未満 1週間に1回超~1日に1回未満 1日に1回超
固形便失禁
液状便失禁
ガス失禁
QOLへの影響
  いいえ はい
パッド使用
下痢止め薬の服用
便意を15分以上、我慢できない
【 評価方法③ FISI 】
4項目の症状とその頻度について、各点数の合計を0から61点で評価
過去1ヶ月間での頻度 全くない 月に1~3回 週に1回 週に2回 以上 1日に1回 1日に2回以上
固形便失禁 8 10 13 16 18
液状便失禁 8 10 13 17 19
粘液失禁 3 5 7 10 12
ガス失禁 4 6 8 11 12

受診のポイントと検査の方法

何かしらの症状や不安があって医療機関の受診を検討している人は、専門的な知識と検査機器を備える、消化器科や肛門科を選びましょう。まず、問診では、肛門周辺における痔などの病気や怪我と手術経験の有無、女性では出産に関する質問、日常的な排便習慣(後述)について確認されます。とくに、下痢は切迫性便失禁の原因に、硬便を伴う慢性便秘は漏出性便失禁の原因になりやすいため、普段の排便内容について記録を付けておくのもよいでしょう。そのほか、外肛門括約筋の萎縮を引き起こし、切迫性失禁を招くことが報告されている喫煙の状況なども併せて確認されます。

便失禁の要因は病歴の聞き取りで想定できることも多く、日常的な対処法や治療の選択にも関わってくるため、些細な内容と感じても医師にきちんと伝えることが重要です。また、アレルギーや不眠などに対する常備薬の副作用として便秘を起こしていたり、便秘に対する下剤の間違った飲み方が便失禁を招いていたりする可能性もあります。お薬手帳を持参し、薬の使用状況についても確認を得るようにしましょう。

一方の検査では、単独で完全な診断が出来るような方法はまだありません。問診結果をもとに、肛門内圧の測定や直腸と肛門の感覚検査、陰部神経の伝導速度検査、筋電図検査※(EMG;electromyography)、超音波検査、骨盤部のMRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像法)、排便造影検査※などを組み合わせながらおこなう方法が一般的です。

※筋電図検査:筋肉や神経に対する異常の有無を調べるために、筋肉に細い電極針を刺した状態で、意識的に筋の収縮運動をおこない、筋肉から生じる電気的活動を記録する検査。

※排便造影検査:肛門から造影剤を注入して行うX線検査で、安静時と肛門の収縮時、排便時の3つの画像から肛門括約筋や肛門挙筋などの動きを観察できる。

便失禁の既存治療(抜粋)

便失禁の治療ではまず、外科的な処置をせずに改善を目指す保存的療法がおこなわれます。たとえば、食事や生活、排便習慣に関する指導(後述)から薬物療法、骨盤底筋(こつばんていきん)訓練、バイオフィードバック療法など。その主な目的は、便の固形化と外肛門括約筋を含む骨盤底筋における収縮力の増強、そして直腸の感覚を正常化することです。加えて、症状の程度により、肛門部の皮膚炎や真菌感染を防ぐために、スキンケアの指導が必要な場合もあります。

このうち、骨盤底筋訓練とバイオフィードバック療法については以下のとおりです。

骨盤底筋訓練(ケーデル体操)

骨盤底筋訓練は、開発者の名前に由来してケーデル体操とも呼ばれます。その方法は、腹筋を収縮しないように呼吸を続けたままの状態で、骨盤底筋を10秒収縮したあとに20秒休むという動作を10回から20回繰り返し、これを1セットとして毎日3セットから5セットおこなうというもの。正しく出来るように、医師などが患者の腹筋に手を置き、そこに力を入れないように誘導しながら、骨盤底筋の収縮と同時に肛門が収縮しているか確認することが推奨されています。

この体操は、肛門を締めようと思いつつ体全体に力が入ってしまい、腹筋も収縮することで腹圧が上昇した結果、かえって排便する流れに向かってしまうような切迫性便失禁の人に有効です。外肛門括約筋や肛門挙筋を含む骨盤底筋の収縮力を増強し、便失禁を改善します。その有効率はおよそ4割から6割と報告されているものの、体操の動作を正しく理解する能力と、自宅での実践を継続するための十分な意欲の有無が、結果を左右すると言えるでしょう。

バイオフィードバック療法

バイオフィードバック(biofeedback;BF、生体自己制御)療法は、骨盤底筋訓練の効果をより高めるためのリハビリテーション療法で、直腸における感覚の正常化にも有効です。その方法は、医療機関のベッドで横になって肛門に圧センサーを挿入し、意識して肛門を収縮したときの肛門内圧の変動を、パソコンの記録計モニターで自ら見ながら訓練します。感覚と視覚を関連付けてコツをつかんだあとで、センサーの代わりに水を入れたバルーン(風船)を挿入して膨らませると、便意を感じたときの実践的な練習が出来るのも有用です。

ただし、この治療も骨盤底筋訓練と同様、覚えたコツを忘れないように自宅で続けて自主訓練するという努力が欠かせません。

新しい便失禁の治療「HIFU(ハイフ)」とは?

近年、注目を集めている便失禁の新しい治療は経肛門高密度焦点式超音波療法(以降HIFU;high-intensity focused ultrasound)という、専用の医療機器を肛門から挿入して、直腸内の筋層に4MHz(メガヘルツ)の周波数をもつラジオ波を約10分間、照射する方法です。このラジオ波が照射部位(骨盤底筋)を加熱凝固※し、周辺組織の収縮を引き起こす結果、直腸の筋層に影響が及ぶことで便失禁が改善すると考えられています。

2018年6月から2022年1月にかけておこなわれた研究報告によると、この期間に肛門失禁と尿失禁を経験した女性75名(便失禁の単独例50名、便失禁と尿失禁の合併例25名)に対し、HIFUを1回施したところ、参加者の多くが実施7日後には便失禁の改善を自覚していました(評価方法は前述のCCFIS)。同時におこなった直腸内圧の測定では、HIFUの実施後およそ1ヶ月で、意識的な収縮力の上昇も見られています。

既存の骨盤底筋訓練やバイオフィードバック療法と異なり、訓練にかける労力が必要ないことに加え、短時間の少ない通院回数で改善が見込めるのは大きなメリットです。このHIFUの副作用について、現在までに重大な報告はありません。ただ、医療機器としてCEマーキング※を取得してはいるものの、日本ではまだ承認されていないために保険適用外となり、費用は医療機関によって様々です。自身の症状に悩む期間やその程度、QOLへの影響と照らし合わせながら、医師の説明を理解した上で臨みましょう。

※加熱凝固:タンパク質などが熱を加えることで変性し、不可逆的に固まる現象。

※CEマーキング:EU(欧州連合)において安全、健康、環境保護に関する指令や規制に適合していることを示すマークのこと。

日常生活のなかで心がけたいセルフケア

便失禁に対する保存的療法には前述のような方法以外に、日常生活のなかで自主的におこなう食と生活、そして排便習慣のケアも大切です。

まず、食習慣では、便を軟化しやすい作用をもつカフェインや柑橘類の果物、香辛料の多い食品、アルコールの摂取を控えましょう。食物繊維は便の性状を改善するため、食事で十分な量を補うことがむずかしい場合は、サプリメントなどを活用するのも有用です。

一方の生活習慣では、食事に加えて起床や就寝の時間といった基本的な生活リズムが乱れていないか、喫煙や体重変化の有無、水分の摂取状況、職場など生活環境におけるトイレへのアクセス性について振り返ってみましょう。また、排便時にとる姿勢で起こる痛みや、関節への負担によって排便姿勢を保てないというふうな悩みも、放っておかずに相談することが大切です。

そして排便習慣では、便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレへ行くように心がけます。また、次に挙げる12個の具体的な項目を参考に、自身の排便について振り返ってみましょう。

【日常の排便習慣に関する質問】
①(便失禁を発症している場合)その前の排便はどうでしたか?
②(便失禁を発症している場合)いつから、便がどのように変わりましたか?
③下剤や浣腸、洗腸、坐薬を使用していますか?その使用はいつから、どの程度ですか?
④普段の排便回数は?
⑤普段の便の性状は?
⑥普段の排便する時間は規則的ですか?
⑦排便時にどのくらい、いきみますか?その強さと時間は?
⑧便とガス(おなら)を区別できますか?
⑨液状便と固形便の見分けが付きますか?
⑩排便前に、腹痛や腹部の膨満感を感じますか?
⑪排便に、指や手を用いることがありますか?
⑫排便後は、きれいに拭き取れますか?

肛門失禁はあらゆる世代で起こる可能性があり、人によってその原因やリスク因子は多様です。自身の便やガスの状態を日頃から把握し、ひとりで悩まず、気になる人は医療機関で相談するようにしましょう。

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