2023.06.30/最終更新日 2023.06.30

未病ケアにも役立つ自由診療の受け方と、費用や安全性の知識を身に付けよう!

自由診療

自由診療は外科や美容専門の医療機関に限らず、町のクリニックでも扱うところが増えてきました。いま話題の幹細胞培養上清や抗酸化療法の点滴、腸内フローラ検査のほか様々な高度化した施術や検査、治療に挑戦することができます。ただ、基本的にはすべての費用が自己負担で消費者トラブルの相談件数が多いのも事実。これを受けて2019年にはウェブ広告に関するガイドラインが改正されました。自由診療の安全性を確認するためのポイントを知り、治療に限らず未病ケアとして日々のメンテナンスに活用できるようなクリニックを探すことにお役立てください。

自由診療と保険診療のちがい

自由診療は自費診療または保険外診療とも呼ばれる、医療保険が適用にならない施術や検査などの医療サービスです。その内容は、病気の治療に関するものから美容や詳しい検査など多岐に渡ります。保険診療と大きく違うのは、基本的にかかる費用はすべて個人の負担になるということです※。一方でそのメリットは大きく、新しい医療技術や薬を試したり保険診療で定められた枠を超えて希望する医療や検査を受けたりすることも出来るといった幅広い選択肢があります。

とくに美容に関する分野では多様化する人々のニーズに伴って、機械や施術などの技術における目覚ましい高度化も。現代において診療とは病気の治療に留まらず、日常生活の中で自身をより良く整えるための手段の一つという捉え方も広まりつつあると言えるでしょう。

※先進医療や治験、承認後でも価格が決まる前の医薬品など国の定める項目に当てはまる場合は、医療技術や治療薬にかかる部分は自己負担となるものの、一部の診察料や検査料などが保険適用になることもあります(これを保険外併用療養費という)。

自由診療にはどのような項目がある?

自由診療では様々な悩みやニーズに対し、幅広い選択肢の中から試してみたい手段を選ぶことが出来ます。身近なものでいうと健康診断や人間ドックもそのひとつで、自分で検査項目を選ぶことで金額が変動するのを経験している人も多いでしょう。

また、ひと昔前なら自由診療の美容と聞くと整形手術や豊胸手術、インプラントや歯列矯正などを連想する人が多かったかもしれません。近年では抗酸化療法や頭皮の薄毛治療、ケミカルピーリングなども広く一般的になってきました。その他、ほかの医師の見解を求めるセカンドオピニオンも自由診療の一つです。さらには、血液検査でおこなう「がん」検診や軽度認知障害(MCI)検査、腸の内部を一度リセットして不定愁訴の改善を期待するような腸内洗浄なども。
つまり、自由診療は見た目の向上やエイジングケアを目的とするだけでなく、より自分にあった治療法や健康増進の在り方を追求するための手段として多くの可能性を秘めたものと捉えることが出来ます。

美容診療は皮膚科以外でも受けられる!

美容診療では医師がおこなう脱毛や脂肪吸引、二重まぶたの手術など皮膚科や美容外科で提供している施術もあります。そして今、この分野でとくに注目を集めているのが美しい肌や育毛、疲労回復などを期待する「幹細胞培養上清(かんさいぼうばいようじょうせい)」と抗酸化療法の点滴です。こうした外科的な手術を伴わない施術は皮膚科に限らず、エイジングケアに取り組む様々な診療科で提供する医療機関も増えてきました。

また、最近では免疫やストレス、腸内環境に対する関心が高まりつつあることで腸の中から肌の状態をより良くしようと取り組む人も。このようなニーズもあって、内視鏡検査(カメラ検査)をおこなう消化器内科のクリニックでは腸内洗浄や腸内フローラ検査などの自由診療を提供しているところもあります。

こうした自由診療を行っている医療機関は、公式ホームページでその情報を掲載していることがほとんどです。そして、その診療内容や平均的な費用、治療期間や回数などについては国の定める「医療広告ガイドライン※」(以降、ガイドライン)に沿って掲載することが求められています。

※医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)

安全に自由診療を受けるには?

消費者庁の発表では美容に関する消費者トラブルの相談件数が、2019年には男女とも上位に見られています。これは、保険診療と違って費用は医療機関により様々な設定であることも要因のひとつでしょう。

自由診療の費用には施術に必要な薬代や人件費に加え、機械の消耗に係る費用も含まれていることがほとんどです。さらに、その医療機関が位置するエリアの相場が加味されているケースも。つまり、自由診療を受けたいと思う人が多く集まるエリアでアクセスの良い医療機関では、相場よりも高く設定されている可能性を念頭に置いて考えることが必要かもしれません。

まずはトラブルに巻き込まれないよう、あらかじめ注意するポイントを押さえておくことが大切です。例えば、美容診療を提供する医療機関の公式ホームページでは、いわゆる“ビフォーアフター”の写真が掲載されていることもあります。それは情報を求めている人にとって、非常に分かりやすくインパクトも強いものでしょう。 必ずしも、こうした施術前後の写真を掲載することが悪いという訳ではありません。ガイドラインでは容易に照会のできる問い合わせ先や治療内容、費用およびリスクと副作用などに関する詳しい情報が記載されていれば写真を掲載しても構わないとしています。

重要なのは記載内容に根拠があり、なぜその医療機関がそれを提供しているのかという目的も自身が把握して臨むことです。例えば消化器系のクリニックでは腸と皮膚との関連を示すエビデンスを基に、腸内洗浄や腸内フローラ検査といった消化器系の自由診療に加えて、幹細胞培養上清やフォトフェイシャルなどの美容診療を提供するところもあります。

また、その自由診療が安全かどうかを確認するには、次に挙げる9つのポイントを参考にしてください。

【自由診療の安全性を確認するポイント】※
□相談やカウンセリングの段階から費用の説明がある
□保険適用の範囲で受けられる施術かどうかの説明がある
□施術の効果や限界、個人差について説明がある
□リスクや副作用、セルフケアや期間について説明がある
□予期せぬ不調や問題が発生したときの対処について説明がある
□問い合わせ先や関連医療団体の情報が見やすく掲載されている
□特定の医薬品名やその効能および効果を打ち出していないこと
□「キャンペーン実施中」など費用や期間の強調をしていないこと
□「無料相談でプレゼント」など物品による誘導をしていないこと
※参考:国民生活センター「消費者のための美容医療チェックリスト」と、医療広告ガイドライン2022年12月28日版を参考に筆者考案

もし、少しでもおかしいなと感じたら国が全国に設置する「医療安全支援センター」や、消費生活センターの案内を受けることができる「消費者ホットライン(188番)」に電話で相談しましょう。

町のクリニックはより身近な存在へ

人生100年時代、いかに健康で若々しく楽しい人生を送るかは、個人が一歩を踏み出す勇気も必要かもしれません。とくに発病には至らないものの軽い症状のある段階「未病」では、今できるケアが将来を大きく左右します。

一方、医療機関はそのベッド数や医師の人数などから病院とクリニック(診療所)に分類され、後者では生活者のより多彩なニーズに応えるような機能も併せ持つところが増えてきました。中には各専門学会での活動や論文発表など、最先端の見解や情報を駆使して自由診療に取り組んでいる医師も存在します。 治療だけでなく日々のメンテナンスをするためにも自由に診療を選び、高度な技術を活用していく時代の到来です。専門性の高い未病ケアを視野に入れて、かかりつけのクリニックを探してみてはいかがでしょうか。

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  2. ドラッグストアのある3つ目の角を右折。
  3. まっすぐ立川方面に歩くと左に「国立消化器・内視鏡クリニック」があります。
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